無菌調剤とは、薬剤の混合時に微生物や不純物が混ざってしまわないように、無菌環境下(生育可能な微生物が存在しない状態)で調剤することを指します。
免疫力が低下している患者様にも安心してご利用いただける調剤方法で、クリーンベンチ(菌が入らないように作業を行うことのできる装置)で行います。
今までの無菌調剤は、主に病院などの施設が中心となり、感染対策や安全管理が十分になされた病院内の無菌調剤室で行われてきました。 しかし、超高齢社会を迎え、在宅医療が進む中、自宅にいながら、点滴などの治療を受ける方も増えてきました。地域において切れ目のない医療提供を目指すなかで、地域の薬局にも、無菌調剤への対応が求められています。
長岡市剤師会では、これからの在宅医療を見据えて、入院から在宅まで地域の薬局が対応できるよう、市内の薬局が共同で利用できる無菌調剤室を設置しました。 今後、無菌調剤室を持たない薬局が、無菌調剤の必要な薬剤を含む処方せんを受け付けた場合でも、共同利用により無菌調剤を行うことができます。
これにより、自宅で療養されている患者さまに対して、高カロリー液や麻薬注射薬等の調剤も可能になりました。 また、安全でレベルの高い混注業務を標準的に実行できるよう、薬剤師を対象とした研修会も定期的に行っております。